トップ画:「百鬼夜行絵巻」(部分)伝土佐光信 真珠庵蔵
妖怪とは?
トップの写真の「百鬼夜行絵巻」は、室町時代(十六世紀)に描かれたと推定されています。
絵巻の一部分ですが、何だかよくわからない、得体の知れないものたちが、描かれています。
恐れられた「妖怪」
妖怪は「化け物」「おばけ」「もののけ」とも呼ばれています。
怖くて恐ろしいイメージです。
辞書で「妖怪」という言葉を調べてみました。
‟人の理解を超えた不思議な現象や不気味な物体”などと説明が出てきます。
民俗学などの学者が様々な観点から妖怪の研究をしてきました。
その解釈も多様であり、今も妖怪に関する統一的な見解や定義はされていないのが現状です。

『妖怪』の「妖しい」・「怪しい」という漢字は、
どちらも「あやしい」と読む異字同訓の語です。
「妖しい」→神秘的な魅力がある
「怪しい」→疑わしい
まさに「読んで字の如く!」
あやしさで溢れた‟得体のしれないのも”を意味している!
あやしくて得体のしれないものだからこそ、人は妖怪を恐れ、興味を持ったのかもしれません。
妖怪は人々のこころを映し出す鏡のような存在
現代は、「眠らない街」のように深夜までネオンが輝き賑やかで、明るさと音で溢れた場所もあります。
行灯や提灯くらいしかなかった昔の人々は、夜になると「暗闇」が広がりその闇の中に不気味な気配を感じていたのかもしれません。

さらに、台風や大地震などの災害は、科学が進歩した現代においても完全に防ぐことは難しい。
予知することが難しかった時代の人々は、突然やってくる自然の脅威になすすべもなく怯えていました。
また、医学的知識が普及していない時代の流行病も、人々を不安と恐怖にさせていました。
疫病が流行っていた当時、どうすることもできない人々は妖怪「アマビエ」に縋りました。
現代でも「新型コロナウィルス」が流行した時期には妖怪「アマビエ」が再登場していました。
昔の人々の日常生活の中の様々な環境が、人々の心の中に「妖怪」という」存在を生み出したのだと考えられます。
アニメ・マンガでも人気の妖怪!妖怪の魅力とは?
人は何故、妖怪に惹かれる?

「妖怪」とは、得体の知れない恐ろしい存在!
なのに、人はなぜ、興味をもち、
惹かれるのでしょうか?

怪しくて得体のしれないものだからこそ、人は妖怪を恐れ、興味を持ったのかもしれません。
何と言っても「妖怪」は面白い!
怖いけどどこか憎めないような可愛い?妖怪たちもいて、とにかく面白いんです!
怖い、恐ろしい妖怪もいるが、人に危害を加えない、何もしない妖怪もいるようです。
まあ、出会ったら驚きはするだろうが。
愛嬌のある、ユーモラスな妖怪もいるようです。

上の写真の妖怪「あかなめ」は、お風呂場に現れる妖怪。
風呂の垢をなめるだけで、人に危害はあたえない。
漫画、アニメ、映画の世界でも人気の妖怪たち
昔のような闇夜を感じない現代でも、妖怪たちは漫画やアニメ、映画の中で活躍しています!
妖怪アニメの原点といえば、やはり「ゲゲゲの鬼太郎」!
何度もテレビアニメ化されていてどの年代の人にもおなじみです。
怖い妖怪ばかりではなく、悪さをしない妖怪や、鬼太郎を助けるおなじみの仲間たちも登場します♪
水木しげる生誕100年記念作品、映画「鬼太郎誕生ゲゲゲの謎」も公開されました。

おすすめの妖怪マンガ
妖怪、怪異、あやかし、鬼、などを題材にしたアニメ・マンガ・映画は、本当に沢山あります。
「ゲゲゲの鬼太郎」「妖怪人間ベム」などの名作。
「妖怪人間ベム」は子どもの頃に見て、かなり怖かったです!
オープニングもずーっと心と目に焼き付いています(笑)
「妖怪ウォッチ」のような可愛らしいキャラクターのアニメ。
『どろろ』「幽☆遊☆白書」「地獄先生ぬ~べ~」「ぬらりひょんの孫」「うしおととら」「化物語」「鬼滅の刃」「呪術廻戦」「夏目友人帳」などなど。
妖怪を退治する話や、妖怪と触れ合う話やコミカルな話、恋愛もあったりと様々なジャンルの物語が沢山あります。
最近、はまっているのは「ダンダダン」です!
妖怪と時代背景
【平安時代】
京都の暗闇に恐ろし気な妖怪たちがいずこからともなくぞろぞろと現れ、行列をなし徘徊している!
人々は、この怪異現象をを「百鬼夜行」と呼び恐れた。
【室町時代】
「百鬼夜行絵巻」という妖怪画のジャンルが登場する。
【江戸時代】
「百鬼夜行絵巻」は、さらに隆盛を極め、お化け絵の原点となった。

「百鬼夜行絵巻」に登場している恐ろし気な「赤鬼」!
着物を着た狐女の妖怪も鬼は、怖い様子。
慌てて逃げているようです。
妖怪の研究

妖怪研究の新しい時代、
文化の始まり!
明治時代以降に妖怪の研究は本格化していきました。
「妖怪」ということばが使われるようになったのは、怪異な現象や妖怪の存在に興味を持った研究者たちが「学術用語」として使い始めた明治以降のようです。
妖怪研究の新しい時代・妖怪の文化を担った人たち
当時「妖怪研究は、迷信、いかがわしい研究」と言われ、変わり者?など異端者扱いされる傾向にあったようです。
そうした中、少数ながら民俗学の「柳田國男」をはじめとした学者が様々な観点から研究を重ねてきました。
「井上円了」(1858~1919)生まれ新潟県
哲学者、教育者、心理学者。
妖怪を体系的、学問的に考察した最初の近代人。
1891年妖怪研究会を発足。
全国を歩いて資料を集めた。
著書:「妖怪学」「妖怪学講義」など。
明治20年(1887年)29歳という若さで「私立哲学館」を創設。
現在の「東洋大学」の誕生です。
「妖怪博士」ともいわれている。
「江馬務」(1884~1979)京都市出身
歴史学者、文化史・風俗史学者。
合理主義の観点から否定されつつあった妖怪を歴史的考察対象として再浮上させた。
妖怪の正体を人、動物、植物、器物、自然物に区別し、その研究を歴史学の視点から「日本妖怪変化史」にまとめた。
著書:「日本妖怪変化史」「風俗文化史」「絵馬務著作集」など。
柳田國男(1875~1962)生まれ兵庫県福崎町
民俗学者、官僚。
全国各地の妖怪を収集。
1936年に論文「妖怪談義」を発表した。
「人の奥底にある恐怖の感情が妖怪を生み出した」と指摘。
幽霊と妖怪を分けて考えた。
妖怪は特定の場所に現れるのに対し、幽霊は人を目指して出ると考えた。
著書:「妖怪談義」「遠野物語」「蝸牛考」など
水木しげる(1922~2015)生まれ鳥取県境港市
漫画家。妖怪研究家。紙芝居作家。
妖怪漫画、戦争漫画。
「ゲゲゲの鬼太郎」の作者で有名。
鳥取県境港市が生誕の地!
「水木しげるロード」には沢山の妖怪ブロンズ像たちがいます。
「紫綬褒章」「文化功労者」など数々の授与。
漫画の受賞も「講談社児童漫画賞」「日本漫画協会賞」など多数。
代表作:「ゲゲゲの鬼太郎」「河童の三平」「悪魔くん」「のんのんばあとオレ」「日本妖怪大全」「総員玉砕せよ!」など
まとめ~妖怪とは?~
妖怪とは得体の知れない恐ろしきものだが、おもしろい!
柳田國男が「人の奥底にある恐怖の感情が妖怪を生み出した」と指摘したように、昔の人々の日常のなかの様々な環境や恐れなどの感情が人々の心の中に「妖怪」という存在を生み出したのだと考えられます。
妖怪とは、人々のこころを映し出す鏡のような存在であったと考えられます。
「妖怪」とは読んで字の如く
「あやしくて得体の知れないもの」!
あやしくて得体の知れないものだからこそ、人は恐れ、興味を持ち、妖怪の世界に惹かれるのだと考えられます。




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